BLOG 楕円紀行

About Koichi Murakami

16th WORLD RUGBY NOW

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少し古い話題になるが、4月11日にブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズのニュージーランド(NZ)遠征メンバーが発表された。ラグビー界では、英4協会代表と言い換えるとわかりやすいのだが、イングランド、スコットランド、ウエールズ、アイルランドのうち、アイルランド協会がアイルランド共和国と北アイルランドを含むために、こういう呼び方になっている。
ライオンズに選出されることは、英4協会の選手たちにとっても至上の名誉だ。最近は、4年に一度しか結成されず、オーストラリア、NZ、南アフリカを順に回るので、6月4日から始まるNZツアーは実に12年ぶり。世界のラグビー界の視線が、6月〜7月にかけてNZに注がれるわけだ。2005年のラグビー界で最大のイベントなので、ぜひ覚えておいていただきたい。NZ代表とのテストマッチは、6月25日、7月2日、9日の3試合で、そのほか地域代表との試合を含めると11試合という長期遠征だ。
イングランドのスーパースター、ジョニー・ウィルキンソンは、残念ながら怪我でシックスネイションズへの出場機会がなく、選ばれなかった。プレミアシップではすでに復帰しており、最後に滑り込みで選ばれる可能性は残されている。キャプテンは、アイルランドのCTBオドリスコル。メンバーは史上最多の44選手に、コーチ陣、支援役員が27人という大所帯。2003年のワールドカップでイングランドを優勝に導いたウッドワード監督の手腕も注目される。

さて、前回のコラムにも書いたプレミアシップは、昨夏からスタートしたリーグ戦がいよいよ1試合を残すのみとなった(4月26日現在)。上位3チームがプレイオフで優勝を争うが、ロンドン・ワスプスとレスター・タイガースの上位2チームは決まり。残る1枠を、バース、セール・シャークス、サラセンズが争う。サラセンズは前週、レスター・タイガースを破る大金星。元フランス代表で来日経験もあるカステニエードが大活躍。スピードも全盛時に戻った感があった。4月30日に、サラセンズはグロスターと戦う。バース対リーズ、ハリクインズ対セール・シャークスが、注目カードということになる。

もう一つ、プレミアと並行してヨーロッパ最強のクラブを決めるハイネケンカップも行われているのだが、こちらは、4月23、24日に準決勝が行われ、トゥールーズがレスター・タイガースを27−19で、スタッド・フランセがビアリッツを20−17で破り、5月22日、エジンバラのマレーフィールドで行われる決勝戦は、フランス対決になった。フランス代表のSOミシャラク、CTBジョジオンらを擁するトゥールーズが勝てば、2年ぶり3度目の優勝。一方、初優勝を狙うスタッド・フランセは、フランス代表WTBドミニシ、アルゼンチン代表SHピショットら代表経験者が勢揃い。見逃せない試合になる。と、書きたいのだが、実は、ハイネケンカップは日本ではテレビ放送がない。面白い試合になりそうなのだが。前述の試合では、ライオンズ対NZ代表戦、そしてプレミアシップの決勝戦(5月14日)は、JSPORTSで放送される。こちらは、ぜひお見逃しなく。

南半球のスーパー12も佳境だ。8節が終了し、残るは3節のみだが、昨年の王者でもあり常勝軍団ブランビーズが、7位に後退。セミファイナル進出条件の4位以内に入るのが苦しくなっている。タックルミスが多く、明らかに規律が乱れている。チーム内で何かが起きている気配が漂う。対照的に好調なのがNZ勢で特にハイランダーズがすさまじい運動量で勝ち進んでいる。反応のいいディフェンスは日本の指導者必見である。4月30日には、地元ダニーデンで首位のワラタスを迎え撃つが、これを破ってトップ4の座を確かなモノにしたい。クルセーダーズは安定しており、ブルーズ、ハリケーンズのNZ勢もトップ4を狙える位置にいる。南ア勢では、ブルズが強力FWを武器に唯一、トップ4争いに生き残っている。
このように、南北半球ともラグビーは今が花盛り。書ききれないほどの情報があふれている。日本も、日本代表シリーズで盛り上がろう!