BLOG 楕円紀行

About Koichi Murakami

03rd 日本選手権の方式変更について

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スポーツ専門テレビの「ジェイスポーツ」に『ラグビープラネット』という番組がある。私は、進行役の矢野武さん、福元英恵さんとともにコメンテーターとして出演している。4月29日(22時〜)初回放送の回は、日本代表の新監督萩本光威さんをゲストに迎えた。ここで我々は、前々から萩本さんに質問してみたかったことを思い切って聞いてみることにした。
リハーサルではその話は一切出さず、本番で福元さんがいきなり切り出した。「萩本さんは、欽ちゃんとは関係ないんですか?」。ちょっと下がった目尻はどことなく…。たぶんラグビーファンのみなさんも、聞いてみたかった人が多かったはずである。新監督は意表を突かれて絶句した。隣に座っていた私は、聞いてはいけないことだったのかと内心ドキドキである。
ところが、萩本さんは大笑いしながら「見栄晴です」と返した。けっこうおもろいやん、はぎやん。ちなみに、縁戚関係はないとのこと。
もちろん、その後は真面目なトークが続いた。大畑大介をCTBにしたのは彼をチャンスメーカーにしたいから。森、大東には数年前の大畑みたいな勢いを感じる、などなど、包み隠さず話す萩本さんには、いいチームを作りそうな気配が漂っていた。

ところで、日本代表選手のセレクションには疑問を呈する声もあがった。代表経験のない無印の選手も多かったし、W杯で活躍したのに外れている選手もいたからだ。ただし、ジャーナリストやファンが、それぞれのスタンスでいい選手を見分けるように監督は作りたいチームにフィットする選手を選ぶ。第三者から見れば疑問はあって当然だし、そうあるべきなのだ。あとは試合内容と結果。春のテストマッチシリーズを全勝で行くという目標を掲げた以上、全勝か、それと同等の評価ができる試合内容が必要だ。5月16日の韓国戦に、まずは注目である。

◎日本選手権の方式変更について
前回のコラムで日本選手権について少し触れた。その後日本選手権が来季は8チームに縮小されるという記事が一部の新聞に掲載された。まだ公式発表はないが、気になるのは出場チームの選び方である。 もし、大学やクラブの王者を8チーム枠に残すなら、日本選手権は日本一決定戦としての価値を失う。日本最高峰の実力を持つ「トップリーグ」所属の12チームは最優先に出場資格が与えられる立場であり、大学、クラブの出場の道を残すなら事前の予選をするべきだ。大学、クラブが予選なしに出場するなら、出場できないトップリーグのチームからは不満が噴出するだろう。
NECはトップリーグ6位からマイクロソフトカップ優勝まで上り詰めたのであり、トップリーグの順位で日本選手権の組み合わせを決める場合、サントリーや神戸製鋼といった強豪が消える可能性もある。
拙速な結論は避けたい。実際に戦う選手、観客という、日本ラグビー界がもっとも大切にしなければならない人たちが納得できるよう、慎重に議論を進めてもらいたい。